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3月11日(金)オンライン公開研究会『人の営みと皮革文化』「皮革素材の利用と技術に関する領域横断的な調査研究~循環型ビジネスモデル構築のために~」
2022.02.17
本学では、オンライン公開研究会 「皮革素材の利用と技術に関する領域横断的な調査研究~循環型ビジネスモデル構築のために~」を開催いたします。
エシカル(倫理的)消費志向が高まる中、ファッション分野では近年、 「アニマルウェルフェア(動物福祉)」や、人工皮革を 「ヴィーガンレザー」として利用する動きが進んでいます。しかし天然皮革とは元来、その土地の地理気候に適応した動物種の不可食部位を生かした資源であり、各地域に固有の〈人と動物の関係〉、 それに根ざした循環型経済に組み込まれた天然素材でした。
本公開研究会では、古くから狩猟や牧畜を営んできたヨーロッパ・カナダ・シベリアにおける、皮革素材の生産と利用をめぐるローカルな文化・経済システムについて事例報告を行います。さらに後半のディスカッションでは、3地域の比較考察に加え、現代日本社会が抱える家畜や獣害駆除された動物の皮革利用の問題などを交え、 議論を展開します。
本学を検討する方はもちろん、研究に興味のある方など、どなたでもご参加頂けます。
ぜひ、この機会にご視聴ください。
【公開研究会 概要】
テ ー マ | 『人の営みと皮革文化』「皮革素材の利用と技術に関する領域横断的な調査研究~循環型ビジネスモデル構築のために~」 |
日 時 | 2022年3月11日(金) 17:15~20:00終了予定 |
参 加 費 | 無料 |
実 施 方 法 | Zoomを用いたWeb会議方式 |
参 加 申 込 み お 問 い 合 わ せ |
QRコードもしくは下のURLから参加申し込みをしてください。申し込みされた方には、前日までにzoomのミーティングIDをお送りします。 (締切:3月9日(水)) ▼申込みフォーム https://forms.gle/2F1u4aretVGHoS5c7 |
【スケジュール】
17:15~ 趣旨説明・「皮革文化と循環型ビジネス」 平井秀樹(国際ファッション専門職大学・教授)
17:35~ 発表①:「西洋キリスト教世界における「動物と社会的距離」をめぐる
イマジネール:ペット・家畜・神の僕・野獣」 寺戸淳子(国際ファッション専門職大学・准教授)
17:55~ 発表②:「動物の皮から生まれるモノたち
-ユーコン先住民の皮利用に学ぶシカ皮活用の可能性」 山口未花子(北海道大学・准教授)
18:20~ 発表③:「シベリア先住民 ・ハンティのくらしと毛皮」 大石侑香(神戸大学 ・ 講師)
18:45~ 休憩
18:55~ コメント①:山口明宏(一般社団法人やさしい革代表理事/山口産業株式会社代表取締役)
19:10~ コメント②:捧恭子(国際ファッション専門職大学・教授)
19:25~ 質疑応答・ディスカッション
19:55 終了
【登壇者プロフィール】
平井秀樹 国際ファッション専門職大学 教授
博士(経営学)。複数の大手アパレルメーカーのマーケティング部門、新規ブランド開発などの責任者を経て2019 年より現職。専門はマーケティングで、近年は繊維産地の地域活性化などに関する研究を行っている。
寺戸淳子 国際ファッション専門職大学 准教授
専門は宗教人類学。ヨーロッパの「生活世界」におけるキリスト教文化の諸相を研究。現在は、「動物」をめぐるフランス思想の近年の展開とキリスト教的世界観の関係を研究している。主著は『ルルド傷病者巡礼の世界』(知泉書館)。
山口未花子 北海道大学文学研究院 准教授
専門は文化人類学。2005 年よりカナダ・ユーコン準州の先住民「カスカ」の古老に弟子入りし、狩猟修行や現地調査を実践。著書に『ヘラジカの贈り物:北方狩猟民カスカと動物の自然誌』(春風社)、共編に『人と動物の人類学』(春風社)などがある。
大石侑香 神戸大学大学院国際文化学研究科 講師
専門は社会人類学。2010 年より西シベリアの森林地帯での現地調査を始め、先住民・ハンティを対象に生業文化とその変容について研究を行っている。共著に『寒冷アジアの文化生態史』(古今書院)など。
山口明宏 一般社団法人やさしい革 代表理事/山口産業株式会社 代表取締役
1938年墨田区創業の皮のなめし加工メーカー山口産業株式会社は、1990年から植物タンニンで皮をなめす 「ラセッテー」製法を開発し、ラセッテーレザーを製造。2008年より、駆除動物の革をなめして産地に返すMATAGI プロジェクトを展開。2017年一般社団法人やさしい革を設立し、作る人・使う人・自然環境にもやさしい皮革消費文化の創造を目指し、社会的課題解決への貢献にも取り組む。
棒恭子 国際ファッション専門職大学 教授
テキスタイル会社の企画デザインを経て、ミラノのARS SUTORIA(現 ARSUTORIA School)で靴のデザイン及びパターン技術を学ぶ。その後自身のブランド『Belpasso(べルパッソ)』を立ち上げ、靴のデザイン、制作、ミラノや日本各地で展示会を行う。デザインとオーダーシューズ制作の技法が評価され「新宿ものづくりマイスター認定」を受ける。東京都優秀技能者知事賞受賞。
【主催】国際ファッション専門職大学 共同研究「皮革素材の利用と技術に関する領域横断的な調査研究~循環型ビジネスモデル構築のために~」(2021年~2023年 代表:平井秀樹)
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