NHKの番組に本学学生が取り上げられました!
2024.04.10
▲(左から)天笠 晏里、本多 美幸、宮坂 あみ
本学学生の宮坂 あみ(ファッションクリエイション学科3年生)、天笠 晏里(ファッションクリエイション学科2年生)、本多 美幸(ファッションクリエイション学科2年生)は、「ファッションから見るカラダ」という番組コーナーで、様々な顕微鏡写真をテキスタイルとして自由に使い、服飾制作を行いました。
NHKエデュケーショナル ディレクター 戸田 裕美子さんより
海中の珊瑚?魚の卵?それとも洞窟・・・・?初めて細胞の顕微鏡写真を見たときに、その精密さと機能美に驚かされました。とっさに「こんな生地の服があったら可愛いかも!」と思ったのが、今回の企画の始まりです。
普段の科学番組では、理論的な“科学解説”として用いるこれらの画像。宮坂さん、天笠さん、本多さんが、見事な発想と柔軟な心で、“感じる”アートに変えてくれました。
見方を変えると世界が広がる事を改めて体感。みなさんにも、ご堪能いただけたら嬉しいです。
天笠 晏里(ファッションクリエイション学科2年生)
「細胞柄から感じた“命の流れ“」
細胞とは命の活動を担うものであり、数えきれない種類と数の細胞が無意識の中で生と死を繰り返しています。体内の器官には細胞の墓場だったり死にゆく細胞だったりが集まる場所があります。けれど同時に生命を作り上げる器官もまた常に稼働しています。そのことを考えた時、またそれぞれの細胞の説明を読んだ時に、一つのコーディネートで”生から死“、”生死の同時存在“を細胞の役割をもってファッションでしかできない表現をしてみたいと思い、このコンセプトに至りました。
「派手な細胞柄をいかにリアルクローズにするか」
細胞という派手なモチーフをリアルクローズ、つまり多くの人が魅力を感じて、着てみたいと思えるような服、に融合させることが楽しかったと同時に難しかったです。普段よく見かけるような一般的なアイテムのパーツを一部細胞柄に入れ替えたり、細胞の柄が優しく活きるような素材を選んだりとシンプルな工夫でその課題はクリアできたと思っています。
「大学の講義で生かされた『アイディアの発想の仕方』」
今回の制作で、これまでの講義から生かされたのは、永澤先生のファッションデザイン実習の「アイディアの発想の仕方」です。新しいものを作り上げる、という発想ではなく、既存のものと既存のものの組み合わせで新しさを作る、という考え方が大きく活かされました。実際に、ジャケットのパーツを一部細胞柄にしたアイディアはその考え方を基にして発想したものです。他人の理解から外れ過ぎず、自分の伝えたいことを最大限行うことを大切にしました。
本多 美幸(ファッションクリエイション学科2年生)
「明るい世界、そしてみんなが幸せになるファッションを」
コンセプトは”美幸”、自分をテーマに作りました。私は、明るい世界そしてみんなが幸せを感じてほしいと思っています。それをファッションとして表現することが好きで発信していきたいと考えています。今回、細胞の形をアートとして捉えて服を作るということで、いかに自分らしく自分のものとして表せるかに重点を置いて制作しました。
工夫した点は、細胞を選ぶ時点から自分らしい物を選び、細胞を自分の物として自分がデザインした柄のように表現した点です。またその細胞と、自分の好きな素材を合わせることで世界観を表しました。
「大学の課題にはなかった“予算管理”」
予算が決められている中で、先のことを考えて物を揃えて準備するという所が難しかったです。普段の制作では当初予定していた物から変更してしまうことが多く、最初から内容を詰めて予定を立てることに苦戦しました。
しかし、期限や予算など、様々な事項が決められた中で計画し、効率よく進めていくという点を今後活かすことができると思いました。急な変更などにも対応できるよう、余裕を持って進めたり、様々なケースを想定したりすることも必要だと学び、今後に活かしていきたいと思います。
宮坂 あみ(アーティストネーム:宮坂青)(ファッションクリエイション学科3年生)
「門番〜リンパ節とファッション〜」
リンパ節は外から侵入してきた細菌やウイルスなどとたたかって処理する場所でもあります。そのリンパの役割が、自分のコンプレックスと戦う・抗うパワーをもつファッションと「門番」という役割として共通していると感じました。そこでリンパ節の柄をファッションが門番として自分を守り戦いながら、自由に強く生きていることを表現しました。
「テレビという画面を通した表現することの難しさ」
これまでは個展などで展示し説明をして、伝えていいました。しかし、テレビでは、一過性であるため瞬間的に伝えるものを作ることが重要だと思いました。そのことが非常に難しかったです。
今後の制作活動において、着る人や目の前の人だけでなく画面越しにどうしたら伝えたいことが伝わるのか、改めてきちんと考える機会となりました。楽しく大変貴重な経験となりました。
服飾制作のフォローアップをしてくれた村上 勝 先生より
今回の制作では、「リアルクローズ(普段着)」であること、細胞柄を全体の50%を使うという前提がありました。出来上がりとしては、なかなか普段着て歩くには勇気が必要な出来栄えですが、妥当な着地かと感じます。
柄の使い方、配置の仕方、素材の選び方、重ね方・・・などなど、実際にモノを作ってみないと頭の中の想像だけではつかみづらい経験ができたはずなので今後のデザイン、創作活動に活かしてもらいたいと思います。
そして、「一般人も着て歩ける本当のリアルクローズ」だとすると、どの程度のデザインに収めるべきなのか?ということも考えるきっかけとなったと思います。
今後、「仕事」となった場合には、クライアントに求められたことをこなし、確実に納期に間に合わせなければなりません。そのためには、スケジュール管理、そして連絡・報告の重要性に気が付き、立ち回れるように日々、意識して過ごしてほしいです。
▲右:村上 勝 先生
文責:淺野 麻由(教員)
ファッションクリエイション学科の村上 勝 先生の講義は、以下受けられます。
・1年次必修「ファッションデザイン実習Ⅰ」
・2年次必修「ファッションデザイン実習Ⅱ」
・3年生必修「地域企業地方連携ゼミ」
そのほか、「スキルアップ」「ファッションサークル」など実施しています。
■ 番組概要
NHK-BSP4K 「体感!神秘の体内ツアー」
2024年3月29日(金) 午前5:00~6:00 初回放送
体内映像や細胞の顕微鏡映像にはトップクラスの芸術に匹敵する「美」の世界が存在する。 そうした映像を、からだの隅々まで「鑑賞」していく“体内ツアー”の旅へ出発! ゲストと研究者が共に、体内世界の映像美をシアターで鑑賞。造形を愛でつつ、おもしろ話や実用情報を繰り広げる。思わず見とれてしまうその造形美には、必然的な「機能」や驚くべき人体の歴史が隠されていた! 「とことんミクロ」を追求することで、自らの体内にある世界の奥深さを知り、命の重みを実感する 60 分。 4K の美しい映像で物語る、人体の不思議と愛着に満ちた、新しい「科学アート番組」です。
東京キャンパス