心斎橋PARCOにて開催!“服が人に適応する”アダプティブファッションショーに学生が参加。
2024.10.25
10月12日、大阪心斎橋PARCOにて、一般社団法人日本アダプティブファッション協会が主催する「アダプティブファッションショー」が行われ、本学の学生たちが衣装をデザイン・制作しました。
「アダプティブファッション」とは、「服が人に適応する」という前向きな意味で使用されている言葉であり、ファッション業界でも注目されている分野です。海外においては、障害者向け衣服が「アダプティブウェア」などと称され、近年浸透しつつあります。
障害者の方々は、ファッションに対して、
「同年代の人たちと同じようにおしゃれがしたくてもできない」
「着せてもらう人に遠慮して着たい服が着たいと言えない」
「TPOに合っていない格好でも許されてしまう」
というように様々な思いを抱えています。
今回の衣装制作の過程には、*インクルーシブデザインの手法を取り入れられ、学生たちは障害者の方々のファッションに対する思いに耳を傾け、直接意見を交換しながら、衣装の企画・制作を行いました。
*インクルーシブデザイン:高齢者や障害者、外国人など、従来のデザインプロセスから除外されてきた人々を企画・開発段階から巻き込み、一緒に考えていくデザイン手法。
学生作品紹介・コメント
■「将来はインクルーシブデザイン、アダプティブファッションを仕事にしたい」
- 【ファッションビジネス学科3年 増尾 龍慶さん】
- 作品テーマ:遊園地
遊園地に行くコーディネートをテーマに制作させて頂きました。
1番こだわったのは、ヘルパーさんが着せやすく、モデルさんも着ていて負担にならない工夫をした点です。主にファスナーを多用したことで、車椅子に座ったまま着脱できるようにしました。
制作を通して1番嬉しかったのは、モデルさんのお母様から涙あふれるほど感謝の言葉を頂いたことです。これまで経験したことが無いやりがいと達成感を感じることができました。
苦労した点は、随所にギミックを付けることで着脱性を高めたことです。今まで、そのような機能を重視することはなかったので、とても難しかったです。今回のイベントを通してインクルーシブデザイン、アダプティブファッションを将来仕事にして行きたいと感じました。
■「障害があっても、自由に、服と共に人生を楽しめる機会が増えてほしい」
- 【ファッションクリエイション学科3年 岡志央理さん】
- 作品テーマ:パーティー
ドレスは主に3つのパーツで構成されていますが、着脱のしやすさ、着用時になるべく負担が掛からないように工夫しました。
私自身ドレスの制作に大変興味があったので、時間や手間はかかりましたが、とてもワクワクした気持ちで取り組むことができました。
制作で苦労した点は、沢山の花モチーフを手づくりした事です。また、正面から見える部分は美しく、見えない部分は、着脱しやすいように生地をカットし、ベルクロ仕様に変更しました。
今回の制作を通して、私たちが日頃当たり前に行っている「服を着る」という行為は、障害者の方にとって障壁になっているという事実を痛感しました。障害があっても、自由に、服と共に人生を楽しめる機会が増えることを願っています。
【指導教員 平井秀樹 教授】
今回ファッションショーに参加した経緯は、未来のファッション産業を創っていく学生たちに、障害者の方々が抱える様々な心理的、物理的バリアを理解して欲しいと思ったからです。また、制作過程における障害者の方とのコミュニケーションを通して、人権や社会問題についても考え学ぶ機会になったと思います。ダイバーシティという言葉がありますが、ファッションは単にモノの美しさを追求することだけでありません。障害者の方でも、様々なTPOでファッションを楽しめる社会を実現していきたいです。
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