画像生成AIを活用して商品化へ OpenFashion社と連携した実践的な特別授業を実施。ファッション分野の大学として初の取り組み
2023.09.13

国際ファッション専門職大学は、ファッションとAIを始めとした最新テクノロジーをかけ合わせたサービス・プロダクトの開発する株式会社OpenFashion(以下OpenFashion社、旧社名:株式会社オムニス)と連携し、画像生成AI「Midjourney(以下、ミッドジャーニー)」を活用した特別授業を3日間行いました。
また生成系AI(人工知能)利用に関する教育方針を、本学WEBサイトにて発表しました。ファッション分野の活用としては、大学として初の表明になります。
画像生成AIを活用した特別授業
特別授業1日目は、OpenFashion社の代表取締役 上田徹氏に、「ジェネレーティブAIの今」をテーマに「海外の画像生成AIの事例やファッションブランドの活用方法」について講義していただきました。その後、学生はミッドジャーニーの活用方法を学び、直接レクチャーしていただきました。
学生たちには、OpenFashion社が発表したファッションブランド「accelerando.Ai(アッチェレランドドットエーアイ)」のコンセプトに即した、アイテム(バッグ)のデザイン提案の課題が出されました。


最終日の3日目、上田氏の前で学生によるプレゼンテーションが行われました。
上田氏含むOpenFashion社の皆様から優秀賞が選ばれ、今後メタバースプラットフォーム「ZEPETO(ゼペット)」にて販売が検討されます。


その後、学生と上田氏による対談を行いました。
学生は画像生成AIを活用してみて、「抽象的なデザインにするのが難しく、単語の選び方や順序について悩みました。」と苦労した点を述べました。また「自分はデザイナー志望ではないが、画像生成AIを活用することで自分のブランドを生み出せるのではと感じた。」と、ファッション業界での活躍を希望する学生たちからは、画像生成AIの活用について前向きな意見が多く上がりました。
上田氏から本学の学生との取り組みを通じて「一緒に学ぶ仲間がいることは非常に大きいことです。相互作用を及ぼしながら創作していくことで、さらにスキルを向上することができます。このような発表の場があることもそうだが、各々が多種多様にアウトプットすることで、学ぶ機会が多い環境になっていると思います。」と振り返りました。
担当教員より
国際ファッション専門職大学 准教授 / 株式会社ニューロープ 代表
酒井 聡
ファッション領域でクリエイションやビジネスを学ぶ学生にとって、画像生成AIは脅威となりえる側面を持っていると考えていたし、それは今も変わりません。
一方で、実際に授業で学生たちに手を動かしてもらってわかったことは、画像生成AIはクリエイターと相性が良いということです。普段からアイデアトレーニングやコンセプトメイキングの鍛錬を積んでいるからこそ、学生たちは短時間でそれぞれ面白い作品をつくり上げることができました。
iPhoneのカメラ1つでインフルエンサーになる人もいれば、冴えない写真しか撮れない人も少なくありません。「ツールを使いこなすスキル」がものを言うのです。
今回は集中講義という形式で試験的に実施しましたが、来年度からは本学のメインとなるカリキュラムに組み込んでいく計画を立てています。
学生作品
受賞作品

- 制作学生コメント:野口 キララさん
- 今回このような画像制作AIを初めて使ってみて一番苦戦したのは、言葉選びでした。自分の想像する雰囲気を言語化し、AIに伝えていく過程が難しいと感じました。
特に、今回のバッグデザインでは、抽象的にクジラを表現したいと考えました。しかし、この抽象的に表現することは人間の主観が少しは入るので、客観的に物事をみるであろう、画像生成AIには難しいのではないか?と、とても考えさせられました。最終的にオプアートという単語を入れることで画像生成AIでの抽象表現をすることができたと思います。

- 制作学生コメント:佐々木 未來さん
-
「バーチャルでしか存在し得ないものをつくろう」この作品たちをつくる時に最初に決めたことでした。バーチャルの世界ではバッグはアクセサリーとしてしか機能しません。容量、重量などの機能性、素材、製造過程などの社会問題、環境問題。これらに干渉されることなく純粋なデザイン性だけを求めてクリエイションできます。受賞作品である「エンジンバッグ」には、環境問題など現実世界で少しずつ悪者になっていく内燃機関の、純粋な憧れとロマンとかっこよさを持たせました。
その他学生作品



そして2023年9月8日、この特別講義から生まれた作品20点が掲載された「OpenFashion Design Prompt Book#3」がリリースされました。すべて無料で閲覧することができます。
https://omnis.notion.site/Event-Resource-Hub-eede4c0f68a84db29d5830cbd878e4e0
※上記ページのテキストリンク「プロンプトブック #3」よりご覧ください。

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