伊藤忠ファッションシステム 浅沼小優氏による特別講義「デザイン&サステナビリティ」
2024.07.31
伊藤忠ファッションシステム株式会社 ifs未来研究所 上席研究員の浅沼小優氏による特別講義が実施されました。
米国でのインテリアディスプレイデザイナー、バイヤー業務を経験し、帰国後LVMHグループ、ロエベ他にてマーケティング、マーチャンダイジングを担当。その後、デザイン予測を提供する英国WGSN日本統括を経て、2019年より伊藤忠ファッションシステム株式会社にて日本企業のマーケティング、デザイン・プロジェクトに携わっていらっしゃいます。
今回は「デザイン&サステナビリティ~ファッションのトレンドとサステナビリティの関係を考える~」をテーマにお話しいただきました。
トレンドは、予測するもの
「服飾学生なら気になる「トレンド」。しかし、そもそもトレンドとは何なのでしょう?
このお仕事をしていると「トレンドってどこかの会社が決めて流しているんでしょ?」と聞いてくる方もいますが、そうではありません。
実はトレンドは決めるものではなく「予測するもの」なのです。いわば天気予報と近い存在です。しかし、理由もなく雨が降らないように、トレンドにもある程度の根拠があり、だからこそ予想ができるのです」
トレンドは社会と深く結びついている
「予測するものである「トレンド」ですが、社会情勢の大きな影響を受けています。例えばコロナ禍では人に会う機会が減ったので、パーティーウェアがトレンドから消え、一時期スポーツウェアのランクが上昇しました。地球温暖化が進んだことで、冬に重いアウターを着用する人が都心ではぐんと減りました。また、アイテムだけでなく、何色がトレンドになるかも社会情勢が深くかかわっています。社会を背景に、消費者の価値観やマインドの変化に伴って変わっていくのがトレンドなのです」
服の先へ、を考える重要性
「つまり、ファッションは衣服だけの話ではなく、私たちと私たちを取り巻く社会の話です。服をデザインするときはその服が着られている時間だけでなく、作り方や服としての寿命を延ばす方法、そしてボロボロになった後その服をどうリサイクルするのかまでを考えてデザインする。皆さんにはそんなデザインやファッションビジネスを生み出し、イノベーションを起こす人になってほしいです」
学生の感想
- 『海外でも活躍され、ルイヴィトングループのブランドでマーケティングを担当されていた浅沼先生から、新しい技術や社会の動向がいかに消費者のマインドや価値観を変えてきたかを学べる貴重な機会となりました。』
- 『デザインをするということは、服のことだけでなく、私たちを取り巻く社会もよく理解している必要があることを知りました。服はもちろんですが、服以外についても学びを深めて「デザイン」をいろんな角度から見れるデザイナーを目指したいです。』
- 『「ファッションは衣服だけの話ではなく、私たちと私たちを取り巻く社会の話」という浅沼先生の言葉に深く共感しました。あらゆる可能性を持っている「服」で、社会を驚かせる新しいものを生み出したいです。』
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